「外でお世話をしている、年老いた子が3匹います。
私は病気で、お世話ができなくなってしまいました。
何とか、助けて貰えないでしょうか…」
うだるような暑さが続いたある日、そんなSOSが、ねこけんに届きました。
私たちは捕獲器を車に積み、急いで現場へ向かいました。
現場に着くと、そこにはその方が長年ご飯をあげていた、狭い隙間がありました。
「○○ちゃん、○○ちゃん、○○ちゃん」
優しく呼びかける声に、○○ちゃんが不安そうに姿を現しました。
いつもと違う声にとまどいながらも、空腹に耐えかねて、そろそろと近づいてきます。
それでもまだ警戒していて、捕獲器の前で立ち止まりました。
「大丈夫だよ、怖くないよ」
そう声をかけながら、私たちはじっと待ちます。
やがて、覚悟を決めたように、ゆっくりと捕獲器の中に入ってくれました。
その瞬間、安堵と同時に、胸がぎゅっと締め付けられるような気持ちになりました。
今、このような案件がとても増えています。
飼い主さんが亡くなってしまって、誰にも知られずに家に取り残されてしまう子たちも少なくありません。
万が一に備えて、常に準備しておくことの大切さを痛感した案件でした。